LOVE AND TRIP MOVIES

(2022年1月28日)

 

 Recommended MOVIES for LOVE AND TRIP

 

バレンタイン&ホワイトデーということで、トラベラーズファクトリーがおすすめするラブロマンス映画を20タイトル、セレクトしてみました。

誰かを好きになる瞬間は、旅のはじまりに似ています。すべての風景が新鮮で愛おしくなり、ただ街を歩くだけでも胸の高まりが抑えられなくなる。永く続くほどに、お互いの理解を深めながら、新しい魅力を発見したり、心地よい安心感を得ることができたり、さらに新鮮さや感動を失ったりもする。そして、ごくごく稀に永遠に続くこともあるようですが、どちらもたいてい終わりがあります。

映画を観ることで、ひとときのLOVE AND TRIPを味わっていただけたら嬉しいです。

 

『(500)日のサマー』 2009年公開

 監督:マーク・ウェブ

 

妄想癖のある男と今を生きる現実的な女性とのすれ違いのラブロマンス。夢見がちに妄想を膨らませて浮足立ったり、勝手に失望したりする主人公のぶざまな姿を見て思わず笑ってしまうけど、自分も含めた多くの男たちは身につまされるような思いも感じるはずです。

『バッファロー'66』 1998年公開

 監督:ヴィンセント・ギャロ

 

ラストシーン。寂れたモーテルのベッドの上で、ヴィンセント・ギャロとクリスティーナ・リッチが子犬のように抱き合うシーンは、世界中の映画のなかで最もロマンチックなシーンのひとつだと思う。哀しくて切なくて優しくて美しい、これぞラブロマンスです。

『ペイネ 愛の世界旅行』 1974年公開

 監督:チェザーレ・ペルフェット

 

「愛と平和」をテーマに描かれた1974年公開のアニメーション。恋人同士の2人がラブエアーに乗って本当の愛を探すため、時を超えて世界旅行をする、まさに「LOVE AND TRIP」な映画です。平和で愛が溢れる世の中であってほしいという願いは今も昔も同じですね。

『ミッドナイト・イン・パリ』 2012年公開

 監督:ウッディ・アレン

 

新しい文化が生まれようとしていた最も活気があった時代のあの街を旅したい、ということは誰もが思うことだけど、そんな妄想が描かれた映画です。そして、あの時代の女性に一目惚れして恋がはじまったら……。妄想はさらに膨らみます。

 

 

『恋する惑星』 1994年公開

 監督:ウォン・カーウァイ

 

香港を旅する貧乏バックパッカーの聖地、重慶大厦を舞台に繰り広げられる切ないラブロマンス。独特の美しい映像は、影の部分に妖しい光をあてながら香港の新しい魅力を教えてくれます。見終わると、フェイ・ウォンかトニー・レオン演じる登場人物とともに香港にも恋してしまいます。

『はじまりのうた』 2013年公開

 監督:ジョン・カーニー

 

音楽はラブロマンスを盛り上げてくれる大切な要素です。お互いのプレイリストを聴きながら華やかな夜のニューヨークを歩くシーン。二人でイヤフォンを付けて同じ音楽を聴くことで、街が二人を祝福しているような気分になる。そんな恋が生まれそうな素敵な瞬間を描いています。

『花束みたいな恋をした』 2021年公開

 監督:土井裕泰

 

偶然のように出会い、お互いの「好き」を知るほどに運命的な出会いだと感じて恋が深まっていく。そして時を経て「現実」が二人の心を引き離し、やがて恋が終わる。やっぱり恋と旅は似ているのかもしれないですね。

『ロスト・イン・トランスレーション』 2003年公開

 監督:ソフィア・コッポラ

 

中年ハリウッドスターと旦那にほったからしにされた孤独な米国人女性が東京で出会い、淡い恋に落ちる。米国人の視点で描く東京はおかしくもあるけど美しい。スカーレット・ヨハンソン演じる孤独な米国人女性のモデルはソフィア・コッポラ監督自身で、旦那のモデルは彼女の元夫で『her』の監督スパイク・ジョーンズ。

『her/世界でひとつの彼女』 2013年公開

 監督:スパイク・ジョーンズ

 

冴えない中年男性がAIに恋をする近未来ラブロマンス。自分の表も裏もすべて知りつくしているスマートフォンのSiriが進化して、話相手になってくれたら、恋をしちゃう人がいてもおかしくないのかも。進化もほどほどにしないとですね。ちなみにAIのセクシーな声を演じるのもスカーレット・ヨハンソン。

『50回目のファースト・キス』 2004年公開

 監督:ピーター・シーガル

 

その日の記憶が翌朝にはリセットしてしまうという障害をもつヒロインを好きになった男のラブロマンス。なんとか彼女の心をつかんで恋のはじまりまでこぎつけても、翌日には自分のことをまったく覚えていない。そんな旅のはじまりみたいな日が延々と続く物語。だけど最後には心がほっこりします。

『男はつらいよ』 1969年~2019年公開

 監督:山田洋治

 

『男はつらいよ』こそ日本で最も愛されてきたラブロマンス映画であり、恋と旅に生きる主人公の寅さんこそ最も「LOVE AND TRIP」を体現しているキャラクターです。子供の頃、将来は寅さんみたいになりたいと本気で思っていました。

 

 

『エリザベスタウン』 2005年公開

 監督:キャメロン・クロウ

 

いや、そんなことされたら好きになっちゃうでしょ。という感じでヒロインを演じるキルスティン・ダンストがぐいぐい迫る、男の妄想のようなラブロマンス。彼女が旅立つ主人公にプレゼントするファイルはトラベラーズノートの使用見本のようだし、選曲もすばらしくて、大好きな映画です。

 

 

『ブルー・バレンタイン』 2010年公開

 監督:デレク・シアンフランス

 

一組の男女の愛のはじまりと終わりを描いた作品。出会ってから結婚までの幸せなひとときと破局までのストーリーが同時進行します。二人に共感したり、怒ったり。男女の機微がより際立って切なく胸をしめつけます。愛する人の不完全さも含めてどう愛し続けるか。きっと観るタイミングで感じ方が変わってくるので、これを機にもう一度観てみようかな。

『気狂いピエロ』 1965年公開

 監督:ジャン=リュック・ゴダール

 

ヌーヴェルヴァーグの傑作と言われてもピンとこないし、随所に登場するという文学・芸術へのオマージュにはほとんど気付けないけど、ジャン・ポール・ベルモンドは本当にかっこいいし、アンナ・カリーナはため息が出るほどキュート。そんな二人の自由な愛の逃避行。

『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』 1991年公開

 監督:エドワード・ヤン

 

1961年に台湾で実際にあった中学生男子による同級生女子殺傷事件をモチーフにした映画。「僕が君を守る」と思いを募らせていく少年と、心を開きそうで開かない少女。淡くて儚い恋愛を1960年代の台湾の複雑な政治状況を背景に描いていきます。台湾のことをもっと知りたい方もぜひ。

 

『パリ、テキサス』 1985年公開

 監督:ヴィム・ヴェンダース

 

別れてしまった元夫婦がガラス越しに会話をしながら再び心を通わせていくシーンは、感動的で官能的なラブシーンのよう。ナスターシャ・キンスキーみたいな女性と愛し合ってしまったら、その愛の重みに耐え切れなくなってひとり放浪の旅に出てしまう気持ちも分からなくもないかな。

『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』 1995年公開

 監督:リチャード・リンクレイター

 

ユーロトレインの車両で偶然に出会ったアメリカ人青年のジェシーと、フランス人の大学生セリーヌ。二人はたちまち意気投合し、ウィーンの街で途中下車をする。翌朝アメリカに発つジェシーと別れるまでの14時間、あてどもなく街を歩きながら語り合う、自然体な会話が魅力のラブストーリー。

 

 

『ムーンライズ・キングダム』 2012年公開

 監督:ウェス・アンダーソン

 

不器用なのに繊細で自意識過剰。自分をうまく表現できず、周囲とうまく馴染めない。そんな少年が同じ想いを抱く少女に恋をして、二人で駆け落ちのように冒険の旅に出る。同じようなもどかしさを感じていた自分の少年時代を思い出しながら、あの頃にこんな経験をしたかったなと思うのです。

 

『愛のコリーダ』 1976年公開

 監督:大島渚

 

安倍定事件を題材にした、まさに究極のラブロマンス映画です。刺激が強いのですべての人におすすめできないですが、ラブロマンスがたどり着いたひとつの極限の世界を覗いてみたい方はぜひ。